野口里佳の駱駝

野口里佳*1の新作が出た。実に2005年の『In-between13 チェコ、キプロス』以来の写真集である。 淡いペパーミントブルーの表紙を持つ『砂漠で(In the Desert)』と題された写真集は、野口がアラブ首長国連邦で撮影した駱駝レースの光景を収める。やや引いた…

月の桂離宮

正月に某国営放送局で桂離宮の特集番組を見た*1。ベテランアナウンサー*2の落ち着いた語り口(ちょっと芝居がかっているけど)に導かれて、近世の武家の世に王朝の美を再現しようとした公家の心意気や矜恃に感じ入った。日本庭園の最高傑作とも称される回遊…

また溜め込んでしまう

今年初めてbk1から本が届いた。読むよりも溜め込むのに忙しい生活がまた始まる。 『魔法のどうぶつえん』(阪急コミュニケーションズ)は、猫をはじめとする動物写真を得意とする岩合光昭が旭山動物園を撮影した写真集である。いまや集客力日本一となったこ…

ヒルトン+ジュンク

大阪でも東京でもお世話になりっぱなしのジュンク堂書店*1。大阪ではオープン当初に「日本最大級」を謳い文句にしていた堂島店をもっぱら利用している。ところが、先月、隣接するヒルトンプラザ店が増床し、規模で逆転したという*2。さっそく偵察してみた。 …

ドナドナド〜ナドナ完了

この春にブロンプトンとともに売り立てに出したBD-1(2008年3月3日付日記)の行き先が見つかり、今日、無事に引き渡しが完了した。2004年1月に手に入れてから約5年、ポケロケを買ってからはあまり乗ることもなくなっていたけれど、ずいぶんあちこちに連れて…

古典の日……になる?

帰阪する。連休初日の土曜日だが、新幹線はさほど混んでいなかった。こんなご時世だから、休みが続くからといって、わざわざ無駄金遣いに行く人は少ないということだろうか。 今日の車中の友は「BRUTUS」の最新号である。特集は「ふるさと 愛する地方都市」…

ねこぢるねこぢる

ねこぢるがこの世からいなくなって、もう10年になる。その10年目の年にこれまでの作品を集成した全集本が出版された。すでにかなりのものを集めているのにもかかわらず、手に入りにくくなった作品も収められているので、上下合わせて1600ページのそれを手元…

Lマガがなくなる

14日のニュース*1で流れていた。関西の地域情報紙として長く親しまれてきた「Lマガジン*2」が12月号を最後に休刊するという。 ずいぶん世話になった雑誌である。ネットでたいていの情報を手に入れられる時代ではあるが、ぱらぱらとページを繰っていると思わ…

節目に無頓着

つれあいの誕生日を翌日に控え、家族サービスに徹する一日になった。サービスと言ってもたいしたことをするわけではないし、何か特別な買い物をすることもない。せいぜいケーキを買うくらいだが、そういうものならおやつとしてよく買っているから、普段と何…

PR誌の表紙絵

岩波書店の「図書」とか、新潮社の「波」、文藝春秋の『本の話』、講談社の『本』など、大手出版社には自社刊行物の販促を目的としたPR誌があって、書店などで無料配布されている。たいていはレジカウンターあたりに平積みされているので、目にしたことのあ…

心を鎮める旅、本、音楽。

「心を鎮める旅、本、音楽」という特集を組む「BRUTUS」の最新号を買ってきた。表紙はやや緑がかった色調の富士山で、雲と山と湖の調和がとてもとても美しい。記事の方も行きたくなるような場所が山ほど紹介されており、とりわけ「スローでメローなニッポン…

厳戒態勢で物々しい

新幹線の車内を鋭い目つきの公安な人が巡回している。こんなことは初めてである。来週開かれるサミットを睨んでのことである。善良なあたくしもしっかり睨まれたような気がする。いやらしい。なお下車した品川駅の警備はほんとにすごかった。10メートル間隔…

旅ボンでその気になる

bk1で新刊リストを眺めていたら、漫画家のボンボヤージュという人が『旅ボン 富士山編』(ゴマブックス)という本を出しているのを見つけた。富士山にはますますぐっとくる感じがしているので「あとで買う本」の中に入れる。あわせて昨秋刊行された『旅ボン~…

島本理生ってそんな人

京都烏丸御池方面で朝から夕方まで仕事絡みの調査があった。今年になってから、だいたい月に一度通っている。そこでは、その筋の人なら誰でも知っている「とある良いもの」を見せてもらっている。ありがたいことである。調査が終わる頃にはいったい何歳にな…

豚キムチにジンクスはあるのか

今週はサッカー漬けで寝不足な日が続いていると昨日書いたばかりだが、日曜日で気が緩んだのか、「ああ、やってしまった……」という時間までぐっすり寝てしまった。目覚まし役立たず。いや、役立たずなのは惰眠を貪る私です、はい。 トーストやバナナを食べて…

雑誌で興奮する

松陰神社前商店街にある小さな書店で「CasaBRUTUS」の最新号を購う*1。100号記念の特集は「日本の美術館・世界の美術館」である。いずれ劣らぬ魅力的な美術館ばかりで、うっとりしながらページを繰る。もっとも、国内はともかく、海外の美術館にはおいそれと…

アブサンと緑色のユニフォーム

また500系のぞみを選んで帰阪する。今日は通常の指定席である。グリーン車に比べると、室内の設えも座席もはっきりと狭苦しさを感じさせる。しかし、この車両に愛着を感じているためか、不快ではない。むしろ愉快。先日のエントリー*1にコメントをつけてくだ…

非アイドルヲタクゆえ

吉田豪『元アイドル!』(新潮文庫)を購う。この本のことは奈良の亀仙人ことatcyさんのブログ*1で知った。正編と続編で紹介されている元アイドル達は、ほとんどが世間の一部の人しか知らないであろうB級C級のタレントである。私も大半が名前くらいしかわ…

写真の読み方の本

新刊の今橋映子『フォト・リテラシー』(中公新書)を新幹線の友にした。写真の読み方と言えば、名取洋之助の名著『写真の読みかた』(岩波新書)がただちに思い起こされるのであるが、問題への切り口はともかく内容的にいささか古めかしくなったのは否めな…

バスに乗って渋谷へ行く

夜半から雨模様である。起きてもやっぱり雨模様である。自転車にも乗れないから、職場に行って、歯磨きのようなルーティンワークでもこなそうかと思ったものの、どうにもやる気が出てこないので、前夜日付が変わろうかという頃に届いた嶽本野ばらの『タイマ…

微妙なところで納得する

昨日、紀伊国屋書店でTASCHEN社の25周年記念版として刊行されている『The Polaroid Book: Selections From The Polaroid Collections Of Photography (Taschen's 25th Anniversary Special Editions)』を見つけた。2005年に出た『The Polaroid Book』との違…

届け物の日

朝から立て続けに宅配便が届く。 まずはbk1から本がやってくる。『東京アートガイド』(美術出版社)、斎藤美奈子『本の本―書評集1994‐2007』(筑摩書房)、『日本語の歴史 別巻』(平凡社ライブラリー)、『ちがいがわかる 類語使い分け辞典』(小学館)、…

東京とか山登りとか

「BRUTUS Casa」と「自転車人」を買ってきた。 「BRUTUS Casa」の特集は「東京」である。なんだかしょっちゅう東京を取り上げているような気がする。気のせいか。きっと書いても書いても書き切れないほどのネタがあるのだろう。やや総花的ではあるものの、そ…

読書用の椅子

新年度から新たに組み込まれた会議があった。ああ、こんなのが毎月あるのか、うわぁ、どうしよう、などと思っているうちに終わった。最初だから短めで助かる。でも明日もまた別のがあるのだった。そっちは職場全体の偉い人たちがやってくる。私などがそこに…

文章は難しい

新年度が始まったのに前年度の積み残しの仕事に苦しめられていた。いや、苦しめられていたというのは正確ではない。苦しめるのも自分、苦しむのも自分なのであった。もっと勤勉にならなきゃね。言うのは只。 蒼井優の台湾食べ歩きをテーマにした写真集『回転…

猫にうっとりする

猫が好きである。愛していると言っていい。ただその愛はストレートには伝わらない。こちらの愛を示そうと思ってべたべた擦り寄ると、手痛い反撃がある。逆に素知らぬ振りをすると、近くにやって来てさりげなく自己の存在をアピールする。この屈折した行動パ…

邦画の監督

月が変わるまで拘束感に満ちた仕事はなく、自発的に抱えているものだけを順番にやっつける日々。水曜日にちょっとだけ会議があるため、ほとんど乗客のいない午後ののぞみの人になる。 新幹線に乗り込む前に駅構内の書店で「AERA MOVIE ニッポンの映画監督 (A…

カレーと江古田ちゃん

昨日は吉葉で茄子カレーを食べた。今日はマシバシイネツルカモで蕪とマッシュルームと挽肉のカレーを食べた。カレー三昧。次は蕎麦屋とか定食屋を探してみたい。食後に近くのBookoffに立ち寄り、瀧波ユカリの『臨死!! 江古田ちゃん(1) (アフタヌーンKC)』(…

どどどと文庫本

引っ越しが一段落するまで注文をストップさせていたbk1から、文庫本が届く。 坂部惠『かたり』(ちくま学芸文庫)、杉本つとむ『西洋人の日本語発見』(講談社学術文庫)、三浦しをん『むかしのはなし』(幻冬舍文庫)、江國滋『落語無学』(ちくま文庫)、…

なぜか梅田でうろうろ

買い物をしたいからという理由で、弁当も食べずに午後の授業をぶっちぎってきた娘を引き連れ、梅田に出る。単独行動だときっと補導対象になるであろう輩は、ロフトで遠慮のない量の文房具を買い込み、ステップでプーマのスニーカーなぞも所望する。皆が授業…