2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

きょうのできごと

いくつかの買い物のために梅田にでかける。 500系、東海道新幹線ラストランの日*1。 仕事で使う本を仕入れるために、いつもの堂島のジュンク堂書店へ。必要なものを見繕ってから、店内を歩き回る。絶版になっていたマイケル・ケンナの「Japan」「A Twenty Ye…

チェンジリング

行方不明になった息子が警察に保護されて戻ってきた。しかし、その子は自分の子供ではなかった。警察にそれを訴え出ると、こちらの精神に問題が生じているとされ、強制収容された病院で「正しい治療」を施されるようになる。やがて意外なところから事件の真…

500系のぞみ乗り納め

まもなく姿を消す500系ののぞみ*1。1997年に華々しく登場し「のぞみ1号」を務めた最速エースは、わずか13年の運用で東海道新幹線から撤退することになる。良くも悪くもその特異な姿形と性能が徒となってしまった。人気の高さに反してわずか9編成しか作られ…

会議のち痛飲

朝から夜までびっしりと会議が詰まっていた。この時期は仕方がないとはいえ、消耗するばかりでやりきれない。夜は所属部署を横断する同世代飲み会があった。うち一人が4月からゲルマンな国に一年間出向くので、歓送会も兼ねていた。 恐ろしく個人主義が横行…

幕末太陽傳

古い映画を観ると言っても、やみくもに手を出すわけにもいかず、去年の12月に刊行された『オールタイム・ベスト 映画遺産200 日本映画篇 (キネ旬ムック)』なぞを手引きにして選んでいる。何事も先達はあらまほしきもの、であろう。 このムックで挙げられたベ…

松と猿に萌える

初日を迎えた「特別展 長谷川等伯」を見てきた。上野の駅から歩いて行くと、春の陽気に誘われたのか、大勢の観光客らしき人たちが思い思いに散策を楽しんでいる。幸い、博物館は混んでおらず、待ち時間なしで入館することができた。 没後400年の節目に開かれ…

二十四の瞳

最初から最後まで高峰秀子は泣いている。他人の泣き顔につられる人はハンカチ必須。 壺井栄の原作小説は遙か昔に読んだことがある。しかし、木下惠介監督の映画は未見だった。教師と教え子の物語ゆえ、子役の演技力が問題になる。こましゃくれたことをされる…

わたしたちは無傷な別人であるのか?

チェルフィッチュ*1の新作公演「わたしたちは無傷な別人であるのか?」を横浜で観てきた。STスポット横浜*2という客席数50ほどの小劇場に足を踏み入れると、すでに演劇特有の濃密な気配が立ちこめている。期待感はいや増すばかり。 舞台は2009年8月最後の週…

ドルジを喰らう

連日のカーリング観戦で寝不足気味な眼をこすりながら両国へ向かう。先場所限りで引退を決めた朝青龍を偲ぶ会を勝手に開く、というか、開いてもらったところに乗っかる。集まった5人はみな相撲の好きな朝青龍ファンである(たぶん)。向かう先はもちろん元…

あふれ出る言葉の渦と日常

またしても演劇舞踊に詳しい知人に教えてもらったもので愉快な時間を過ごす。 岡田利規が主宰する演劇カンパニーとして設立されたチェルフィッチュは、「自分本位という意味の英単語セルフィッシュが、明晰に発語されぬまま幼児語化した造語であり、現代の日…

稲妻

父親がみな違う四人の兄姉妹の物語である。少子化の今では考えにくい設定であるが、当時はこれをどう受け止めていたのだろか、などということは、きっとどうでもよい。成瀬巳喜男の代表作として評価されている「浮雲」より、この「稲妻」の方にずっと引き込…

猫が空を飛ぶ

身のこなしも軽やかに宙を舞う猫の姿が好きである。飛んでくるがゆえに、いろいろとややこしいことをするのはまた別の話。 その空飛ぶ猫をジャケットにいただく矢野顕子の新作がとてもよい。「音楽堂*1」と題されたそれは、10年ぶりのピアノ弾き語りアルバム…

きょうのできごと

抱えこんでいた仕事をひとまず片づけて帰阪したので、なんだかどこにも行く気が起こらず、連日引き籠もっている。 テレビのスイッチを入れると、スピードスケートが映し出される。そのまま見る。そして興奮した。 続けてフィギュアのペアがあって、こちらは…

残菊物語

見事なまでにメロドラマである。 歌舞伎役者が奉公人と恋に落ち、やがて身分違いであることを理由に引き裂かれたあげく、家を飛び出してしまう。旅芸人にまで身をやつすものの、契りを結んだかつての奉公人の献身的な支えによって、再び表舞台に返り咲く。し…

蜘蛛巣城

[DVD]" title="蜘蛛巣城 [DVD]" class="asin">シェークスピアの「マクベス」を日本の戦国時代の物語に翻案する。 欲望に取り憑かれた鷲津浅茅の悪魔の囁きが彼女の夫武時を破滅の淵へと導く。実体化した物の怪が登場し、行く末の予言をするなど、リアルな戦…

新型ロマンスカーに乗った

箱根2日目の朝は雪である。眠い目をこすってよく眺めてみると、どうにもこうにもやみそうな気配はない。おまけに前夜*1の熱い宴のせいで、体調を崩してしまった顧客が一人二人……。この状況で大涌谷へ登っていくのは使途がやってくるより始末が悪い。なにし…

初めての箱根

この3月で契約の切れてしまう顧客と箱根旅行にでかける。初めての箱根である。なんだか気分が高揚する。 少し自由時間ができたので、一人で強羅まで箱根登山鉄道*1に乗って行ってみた。幾度かのスイッチバックに興奮する。さらに下界はどんよりしていたのに…

愛のむきだし

園子温監督の「紀子の食卓」は世評も高く、DVDも手に入れているのに、いまだに棚に収まったままである。それで「時効警察」のいくつかに脚本と演出で参加しているものしか知らない。これはこれで楽しんだものの、「愛のむきだし」を劇場で、とまでは気分は高…

羅生門

私には「小津安二郎vs黒澤明」は「木村伊兵衛vs土門拳」と同じ対立構図に見える。そしていずれも前者に比して後者が苦手である。安易な二項対立は対象の本質を見誤るおそれがあるものの、もうかなり長い間この印象は変わらないので、私の中での評価軸が揺れ…

四谷三丁目で九州の料理

新規顧客獲得大作戦の後始末会議が始まる。今日は小手調べで明日が本番。 夕刻、しきはんさんと四谷三丁目のルーニィに赴く。今年の針穴魂の件でギャラリーの予約や簡単な打ち合わせなどをする。テーマその他のおおまかなことを伝えた。日程は9月7日(火)…

キューポラのある街

吉永小百合って1945年3月生まれだったのね。初めて知りました。先日見た「名刀美女丸」公開の翌月のこと。そうか、そういう御年なのか。 急激な経済成長前夜の、まだ明るい未来を思い描けない時代の閉塞感が世を支配する。明日を信じて、あるものは進学を志…

せっせと山を崩す

大きな声で言えない。抱え込んだものを早く吐き出してしまうことに勤しんだ一日になった。青空? そんなものは知らん。

小村雪岱で思う

Amazon KindleやApple iPadなどによって、電子出版の世界がますます注目される一方、紙媒体の本や雑誌は斜陽の一途を辿っているように見える。昨年は自分の本業に関わる老舗月刊雑誌が二誌も休刊という名の廃刊になってしまった。ベストセラーを眺めても、ご…

名刀美女丸

1945年2月に公開された映画である。当時は撮影用フィルムも配給だったとのことで、1時間程度の作品しか撮ることができなかったらしい。溝口健二に師事した新藤兼人は「食うために作った映画」(DVD収録のインタビュー)と言い、この作品をまったく評価して…

近所のパン屋さん

寓居から徒歩2分のところに「Boulangerie-Sudo*1」という店ができたのは昨年10月のことである。東急世田谷線松陰神社前駅からすぐのところ*2にある。なんでもスゴイ人が経営しているそうであるが、もともとその方面には疎いので、あまりありがたみもはやる…

夜の女たち

1948年の溝口映画を観る。主演は山田五十鈴ではない。 戦後まもなくの混乱する大阪で、夫と息子を亡くした女性が、生きるために夜の世界へ足を踏み入れる。自らを慰みものに貶めた男達への復讐を誓う女を田中絹代が演じる。生きるというシンプルな営みが、こ…

雪の降る町

雪が積もった。世田谷に移り住んではや二年、引っ越しが済んで三日目に雪の積もったことを思い出す*1。鶴川にいた頃は毎年のように雪が積もっていたけれど、こっちではその時以来の白い日になった。 夜半過ぎにはやむ。引き続き進行中の新規顧客獲得大作戦に…

浪華悲歌

溝口健二監督が撮影した1936年のふたつの作品「祇園の姉妹 [DVD]」「浪華悲歌 [DVD]」は、いずれも傑作の誉れが高いものである。両作とも主演は山田五十鈴である。 男をいいようにたぶらかす女が、最後に手痛いしっぺ返しを受ける。京都の芸妓と大阪の職業婦…